現役 化学メーカー資材のゆうです。
石油化学業界でよく言う”足元ナフサ”、今回はこの用語を簡単に解説します。
足元とはデイリーの数値(確定前)
簡単に言うと、足元ナフサ=ここ数日のナフサ価格という意味です。
なぜそんな言い方が発生するのか、ナフサの価格決定の仕組みによります。
ナフサの価格決定の仕組み

ナフサ価格は、後追いで確定していきます。
ナフサ価格自体は、月ごとに確定していき、3ヶ月ごとにQ(クォーター)ナフサとして確定していきます。
例えば、第1Q(1~3月)ナフサは4月末頃に決まります。これは、3月単月のナフサ価格は翌月の4月末頃に確定し、第1Qナフサ価格は1~3月のナフサ価格を計算して求めます。よって、第1Qナフサ価格は3月のナフサ価格が確定する4月末頃に同時に確定します。(※厳密には確定ではなく速報ですが、あまり修正されることはありません。)
対象期間 | 決定時期 | 決定理由 | |
第1Q | 1~3月 | 4月末頃 | 3月のナフサ価格が決まる為 |
第2Q | 4~6月 | 7月末頃 | 6月のナフサ価格が決まる為 |
第3Q | 7~9月 | 10月末頃 | 9月のナフサ価格が決まる為 |
第4Q | 10~12月 | 1月末頃 | 12月のナフサ価格が決まる為 |
1月から4月末までの間、第1Qナフサがわからないと価格交渉の基準がないため、日経新聞等に掲載されるナフサ価格を”足元ナフサ”と称し、今後のナフサ価格の動向として参考にしています。
ナフサ価格は【確定したQや単月の価格】と【目安になる現時点の価格(足元ナフサ)】があるという事です。
足元ナフサと確定ナフサの関係

では「足元ナフサ」の3ヶ月平均がQナフサの価格になるのでしょうか。
また「足元ナフサ」の月平均が単月ナフサになるのでしょうか。
お分かりの通り違います。
「足元ナフサ」 つまり 「デイリーナフサ」の価格は輸入前の通関前価格になります。
産油国から原油やナフサを輸入して、日本入着するまでに1ヶ月半~2か月程度と言われています。
よって、仮にデイリーナフサ5~7月の平均値が50,000円/KLだった場合、2ヶ月ズレと仮定すると7~9月の第3Qの確定ナフサも50,000円KLに近い値になってきたりもします。

しかし、実際はデイリーの2ヶ月ズレが確定に相当することはなかなか難しいです。
なぜなら、確定の値の算出は、”入着の際の”為替を使用するからです。
1ヶ月半~2ヶ月経てば為替はまあまあ動きます。為替が1円変われば500円/KL近く違ってきます。
その他の調整などもあり、ナフサ価格が確定するので、ある程度の予測はできますが、ぴったり予想するのは不可能です。
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